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良い?悪い?バナナの食べ合わせと嬉しい3つの栄養を徹底解説!

バナナの食べ合わせ

更新:


 バナナには多量の果糖やブドウ糖が含まれており、即効性のエネルギー源としてスポーツ選手に重宝されているほか、消化吸収がよいので子供や病人の主食代わりにもなります。バナナの食べ合わせについて、ぜひとも知っておきましょう。

薬剤師のイラスト <この記事の著者>
 メディカルアーカイブ所属
 薬剤師 松田俊浩※


目次


バナナはどんな食材?

バナナはどんな食材か
バナナは昔、高級品だったと聞いたことがあります。 看護師のイラスト

薬剤師のイラスト 昔は輸入量が少なかったので貴重でしたが、今は世界中から輸入されて安くなりましたね。

バナナはどれも甘いんですか?

薬剤師のイラスト デザート用は甘いのですが、海外では主食用の甘くないバナナもあるんですよ。

 バナナの原産地はマレーシアなどの東南アジアであり、バナナ栽培の歴史は非常に古く、古代から栽培が行われていたと言われています。19世紀になると大規模なプランテーションで栽培が行われるようになりました。日本では1900年頃に台湾から輸入されたのがバナナ輸入の始まりと言われており、当時は非常に高価な希少品でした。

 バナナと一言で言っても非常に多くの品種があり、世界で栽培されるバナナの約4分の3はデザート用、約4分の1は料理用となっています。料理用のバナナは生食用よりも繊維やデンプンが多いのが特徴で、焼いたり揚げたりして調理します。東南アジアやアフリカでは主食として重宝されています。

 日本で流通しているバナナは台湾産やフィリピン産が主ですが、世界で最もバナナを生産しているのがインド、次いで中国となっています。

バナナに含まれている栄養素

バナナに含まれている栄養素
スポーツ選手が主食代わりにバナナを食べると聞いたことがあります。

バナナには即効性のエネルギー源となるブドウ糖が含まれているからですよ。

バナナの栄養素は糖質がメインなんですか?

糖質以外にも、ビタミンやカリウム、食物繊維が多く含まれています。

■主食にもなるエネルギー食材
 バナナには多量の果糖やブドウ糖が含まれており、即効性のエネルギー源としてスポーツ選手に重宝されているほか、消化吸収がよいので子供や病人の主食代わりにもなります。

 バナナは糖質以外にもカロテンやビタミンB1ビタミンB2ビタミンCのほか、食物繊維が含まれています。カロテンは体内でビタミンAに変わり、粘膜や皮膚を健康に保つ働きがあります。

 ビタミンB1ビタミンB2は体内のエネルギー代謝に関与し、疲労を回復する効果が期待できます。

■カリウムが豊富に含まれている
 バナナにはカリウムマグネシウムが多く含まれています。カリウムは体内の余分なナトリウムを排泄することで血圧を正常に保つ働きがあるほか、マグネシウムカルシウムとともに骨の形成や維持を行います。

 バナナに含まれる食物繊維にはペクチンとオリゴ糖があります。ペクチンは食べたものの腸内での移動時間を遅らせることで、血糖値の急激な上昇を抑える働きがあります。

 また善玉コレステロールを増やし、高血圧や動脈硬化などの生活習慣病の予防に役立っているほか、便秘の解消にも効果があります。オリゴ糖は腸内で善玉菌の栄養となり、ビフィズス菌などを増やすことで整腸作用が期待できます。



栄養解説
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バナナ100gあたりの栄養価

バナナ100gあたりの栄養価

 以下の表では、バナナ100gあたりに含まれているエネルギー量や、主要なビタミン・ミネラルなどの含有量を示しています。単品からの栄養摂取に偏ることなく、さまざまな食材を上手に食べ合わせて、バランスよく栄養を摂取しましょう。

エネルギー 86 kcal
炭水化物 22.5 g
食物繊維 1.1 g
脂肪 0.2 g
タンパク質 1.1 g
ビタミンB1 0.05 mg
ビタミンB2 0.04 mg
ビタミンB3 0.7 mg
ビタミンB5 0.44 mg
ビタミンB6 0.38 mg
葉酸 26 μg
ビタミンC 16 mg
ビタミンE 0.5 mg
カリウム 360 mg
カルシウム 6 mg
マグネシウム 32 mg
リン 27 mg
鉄分 0.3 mg
亜鉛 0.2 mg
0.09 mg
出典:日本食品標準成分表2015年版(7訂)

栄養効果を高める食べ合わせのポイント

栄養効果を高めるバナナの食べ合わせ
バナナのことが少しわかりましたが、どんな食べ物と食べ合わせるとよいのですか? 看護師のイラスト

薬剤師のイラスト 便通の改善を期待して、みかんとヨーグルトがおすすめですよ。

どうしてみかんとヨーグルトなんですか? 看護師のイラスト

薬剤師のイラスト バナナとみかんに含まれているペクチンと、ヨーグルトの乳酸菌が腸内環境を整えてくれます。

 バナナは豊富にカリウムを含んでおり、高血圧の原因となる不要なナトリウムの排泄や、水分量の調節に役立っています。この働きを助ける食べ合わせ食材として、同じくカリウムを多く含むセロリやワカメがおすすめです。

 ワカメにはカリウムだけでなく、ナトリウムの排泄効果がある水溶性食物繊維のアルギン酸が含まれているため、カリウムの働きに加わって高血圧の予防効果が期待できます。

 また、バナナには便を軟らかくする水溶性食物繊維のペクチンや、整腸作用のあるオリゴ糖が含まれています。この整腸作用を助ける食べ合わせとして、みかんやヨーグルトが挙げられます。

 みかんにはペクチンが豊富に含まれており、腸内でドロドロのゲル状となって、腸内をお掃除しながら排便を助ける働きがあります。また、ペクチン自体が善玉菌のエサとなって善玉菌を増やすため、腸内環境の改善に役立ちます。

 ヨーグルトは生きたままの善玉菌を腸内に届けることができるため、ペクチンの働きと併せることで腸内環境を整え、腸のぜん動運動を促進し、便通の改善が期待できます。



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一緒に食べるとよい食材
期待できる効果


一緒に食べるとよい食材 期待できる効果
ふき
もやし
みかん
ヨーグルト
便秘の予防と解消
キウイフルーツ
ブドウ
パパイヤ
高血圧、動脈硬化の予防
トマト
セロリ
ワカメ
利尿作用、腎機能改善
キャベツ
やまいも
カブ
疲労回復、胃腸を整える


参考文献
出典1:厚生労働省|日本人の食事摂取基準(2020年版)|脂溶性ビタミン

出典2:厚生労働省|日本人の食事摂取基準(2020年版)|水溶性ビタミン

出典3:厚生労働省|日本人の食事摂取基準(2020年版)|ミネラル(多量ミネラル)

出典4:厚生労働省|令和元年 国民健康・栄養調査結果の概要

出典5:文部科学省|日本食品標準成分表2020年版(八訂)|バナナ/生

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