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パイナップルは熱帯地域で盛んに栽培されており、日本にもたくさん輸入されています。パイナップルの主成分は糖質ですが、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンC、食物繊維も豊富に含まれています。パイナップルの食べ合わせについて、ぜひとも知っておきましょう。
パイナップルはパインとも呼ばれていますが、名前の由来はパインとアップルが合わさってできています。パインは松、アップルは果実を意味しており、いわゆる松ぼっくりに形が似ていたことから名付けられました。現在はアップルと言えばリンゴを意味しますが、昔は果実を意味していたそうです。
パイナップルの原産地はブラジルとされており、熱帯アメリカの地域では古くから栽培されていました。コロンブスが西インド諸島でパイナップルを見つけてから急速に他の大陸にも伝わり、世界の熱帯地域で栽培が盛んに行われるようになりました。
パイナップルの主要な産地にはコスタリカやブラジル、フィリピン、タイなどがありますが、日本でフィリピン産などが多く流通しています。パイナップルは加熱しても形が崩れないため、シロップを加えて加熱殺菌した缶詰加工も多くされています。
■ビタミンB1やビタミンCが豊富
パイナップルの主成分は糖質ですが、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンC、食物繊維も豊富です。ビタミンB1は糖質の分解を助け、ビタミンB2も体内の新陳代謝を高めるため疲労回復や老化予防の効果が期待できます。
ビタミンCも豊富に含まれており、免疫力を高めて風邪などの感染症を防ぐ、病気の回復を早めるストレスに強い体を作るなどの効果が期待できます。また、カルシウムの吸収を促進するマンガンを多く含んでおり、骨粗しょう症の予防にも役立ちます。
■タンパク分解酵素が肉の消化を助ける
パイナップルにはブロメライン(ブロメリン)というタンパク分解酵素が含まれています。これには肉を柔らかくして消化を助ける働きがあります。
また酸味成分のクエン酸も豊富で、胃液の分泌を盛んにして消化を助ける働きがあります。酢豚や南国料理にパイナップルがついてくるのはこのためです。
ただし、ブロメラインは熱に弱く60℃以上で作用しなくなるので、調理の最後に加えるのがポイントです。缶詰のパイナップルは加熱調理されているため、このブロメラインは含まれていません。またブロメラインには血液やリンパ液の循環をよくしたり、消炎、消腫の働きも期待できます。
以下の表では、パイナップル100gあたりに含まれているエネルギー量や、主要なビタミン・ミネラルなどの含有量を示しています。単品からの栄養摂取に偏ることなく、さまざまな食材を上手に食べ合わせて、バランスよく栄養を摂取しましょう。
エネルギー | 51 kcal |
炭水化物 | 13.4 g |
食物繊維 | 1.5 g |
脂肪 | 0.1 g |
タンパク質 | 0.6 g |
ビタミンB1 | 0.08 mg |
ビタミンB2 | 0.02 mg |
ビタミンB3 | 0.2 mg |
ビタミンB5 | 0.28 mg |
ビタミンB6 | 0.08 mg |
葉酸 | 11 μg |
ビタミンC | 27 mg |
カリウム | 150 mg |
カルシウム | 10 mg |
マグネシウム | 14 mg |
リン | 9 mg |
鉄分 | 0.2 mg |
亜鉛 | 0.1 mg |
銅 | 0.11 mg |
パイナップルは果物の中ではビタミンB1を比較的多く含んでいます。ビタミンB1は糖質のエネルギー代謝に関与しており、不足すると疲労物質である乳酸がたまりやすくなります。
このパイナップルに含まれているビタミンB1の働きを助ける食べ合わせとして、ビタミンB1を非常に多く含む豚肉やレバーが挙げられます。
パイナップルにはタンパク分解酵素であるブロメラインが含まれており、肉の消化を助ける働きがあるため、肉類との食べ合わせはとてもよいことが知られています。
パイナップルと食べ合わせることで肉の消化がよくなり、さらにビタミンB1の働きを補うことで、疲労回復効果が期待できます。また、パイナップルには疲労物質である乳酸の生成を抑えるクエン酸が多く含まれていますので、これも疲労回復や倦怠感の改善に役立つと言われています。
一緒に食べるとよい食材 | 期待できる効果 |
---|---|
いちご ぶどう 豚肉 レバー |
疲労回復 |
バナナ マンゴー レモン いちじく |
高血圧の予防、 動脈硬化の予防 |
牛乳 大豆 もも 干しブドウ |
骨粗しょう症の予防 |
みかん りんご やまいも |
消化を助け、胃腸強化 |
出典1:厚生労働省|日本人の食事摂取基準(2020年版)|脂溶性ビタミン 出典2:厚生労働省|日本人の食事摂取基準(2020年版)|水溶性ビタミン 出典3:厚生労働省|日本人の食事摂取基準(2020年版)|ミネラル(多量ミネラル) 出典4:厚生労働省|令和元年 国民健康・栄養調査結果の概要 出典5:文部科学省|日本食品標準成分表2020年版(八訂)|パインアップル/生 |