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良い?悪い?昆布の食べ合わせと嬉しい3つの栄養を徹底解説!

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 昆布といえば「ダシをとる」方を連想する方も多くいますが、昆布にはビタミンB1ビタミンB2βカロテンカリウムカルシウム鉄分、食物繊維などが豊富に含まれており、「海の野菜」とも呼ばれています。昆布の食べ合わせについて、ぜひとも知っておきましょう。

薬剤師のイラスト <この記事の著者>
 メディカルアーカイブ所属
 薬剤師 松田俊浩※


目次


昆布はどんな食材?

昆布はどんな食材か

 昆布は北海道から東北にかけて分布している海藻であり、養殖も行われています。国内生産量に占める養殖の割合は35%程度となっており、天然物では北海道産が95%を占めています。

 昆布の種類には様々あり、真昆布をはじめ、利尻昆布、羅臼昆布、細目昆布、長昆布などがあります。北海道産が圧倒的に多いものの、昔の流通経路の関係から、昆布の消費量は北陸や近畿、沖縄で多く消費されています。

 日本では非常に古くから食されており、昆布巻きや昆布締めなどの郷土料理のほか、刻み昆布、とろろ昆布、おぼろ昆布、酢昆布など多種多様にあります。

昆布に含まれている栄養素

昆布に含まれている栄養素

■昆布は栄養価が野菜並み
 昆布といえばダシを連想する方も多いと思いますが、昆布にはビタミンB1ビタミンB2βカロテンカリウムカルシウム鉄分、食物繊維などを豊富に含んでおり、「海の野菜」とも呼ばれています。なかでも特記すべきは、ヨウ素が豊富に含まれていることです。

 ヨウ素は海藻類からしか摂取できませんが、その働きは大変重要なものです。ヨウ素は甲状腺ホルモンの生成や分泌を促進する働きがあり、新陳代謝を活発にするほか、子供の発育、皮膚や髪を健康に保つなど重要な役割を担っています。

■アルギン酸がナトリウムを排泄する
 昆布のヌルヌル成分は、水溶性食物繊維のアルギン酸です。アルギン酸は糖の吸収を妨げたり、コレステロールを低下させるほか、カリウムと協力して体内の余分なナトリウムを排泄し血圧を下げる働きがあります。

 そのため、高血圧や動脈硬化など生活習慣病の予防に効果があると言われています。また、この水溶性食物繊維が身体の老廃物を吸着して体外に排泄してくれるほか、便秘の解消にも効果があります。

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昆布100gあたりの栄養価

昆布100gあたりの栄養価

 以下の表では、昆布(りしりこんぶ素干し)100gあたりに含まれているエネルギー量や、主要なビタミン・ミネラルなどの含有量を示しています。単品からの栄養摂取に偏ることなく、さまざまな食材を上手に食べ合わせて、バランスよく栄養を摂取しましょう。

エネルギー 138kcal
炭水化物 56.5 g
食物繊維 31.4 g
脂肪 2.0 g
タンパク質 8.0 g
ビタミンA相当量 71 μg
βカロテン 850 μg
ビタミンB1 0.80 mg
ビタミンB2 0.35 mg
ビタミンB3 2.0 mg
ビタミンB5 0.24 mg
ビタミンB6 0.02 mg
葉酸 170 μg
ビタミンC 15 mg
ビタミンE 1.0 mg
ビタミンK 110 μg
ナトリウム 2700 mg
カリウム 5300 mg
カルシウム 760 mg
マグネシウム 540 mg
リン 240 mg
鉄分 2.4 mg
亜鉛 1.0 mg
0.05 mg
出典:日本食品標準成分表2015年版(7訂)

栄養効果を高める食べ合わせのポイント

栄養効果を高める昆布の食べ合わせ

■アルギン酸とカリウムが豊富
 昆布はビタミン、ミネラルが豊富な海藻ですが、特筆すべきはヌルヌル成分のアルギン酸です。昆布を切った時にヌルヌルした成分が出てきますが、その中には水溶性食物繊維であるアルギン酸が含まれています。

 アルギン酸はカリウムと協力して不要なナトリウムを体外に排泄する効果があると言われています。昆布にはアルギン酸だけでなく、カリウムも豊富に含まれていますので、高血圧の原因となるナトリウムを効率よく排泄できると考えられています。

■タウリンを豊富に含む食材がおすすめ
 このアルギン酸とカリウムを豊富に含む昆布と一緒に食べ合わせるとよい食材として、タウリンを豊富に含むイカやタコ、エビが挙げられます。

 タウリンはアミノ酸の一種であり、体内ではあらゆる臓器に存在しています。その量は体重の約0.1%に相当すると言われており、体内でのタウリンの重要性が伺えます。

 このタウリンには体内の状態を一定に保つ働きがあり、体内の機能が働きすぎている場合は抑えるようにし、低下している場合は機能を改善すると言われています。

 特にタウリンは交感神経を抑制して血圧を一定に保つ働きがあると言われており、カリウムやアルギン酸を含む昆布と、タウリンを多く含むイカやタコ、エビを一緒に食べ合わせることで、高血圧の予防効果が期待できます。

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一緒に食べるとよい食材
期待できる効果

一緒に食べるとよい食材と効果

一緒に食べるとよい食材 期待できる効果
イカ
タコ
牡蠣
アサリ
高血圧予防
タマネギ
キャベツ
納豆
しそ
ガン予防、血行促進
かぼちゃ
大根
ふき
ハマグリ
むくみ、気管支炎の解消
ニンジン
いんげん
ほうれん草
貧血予防、美肌効果

食べ合わせと栄養のまとめ

昆布の食べ合わせと栄養

 昆布と言えばダシを連想する方も多いと思いますが、昆布にはビタミンB1やB2、βカロテンなどのビタミンのほか、カリウムカルシウム鉄分などのミネラルも豊富に含まれており、海の野菜と呼ばれるほどです。

 昆布を切るとヌルヌルした成分が出てきますが、これは食物繊維の仲間であるアルギン酸です。アルギン酸には体内の余分なナトリウムを排泄する働きがあると言われています。

 このアルギン酸が豊富な昆布と食べ合わせるとよい食材として、タウリンが豊富なイカやタコが挙げられます。タウリンには過剰に働いている体の機能を抑えて一定に保つ働きがあり、血圧を安定させると言われています。

 そのため、アルギン酸を豊富に含む昆布と一緒にタウリンが豊富な食材を食べ合わせることで、高血圧の予防効果が期待できます。

 ダシをとったあとの昆布にも栄養がしっかり含まれていますので、捨ててしまうのは非常にもったいないです。刻んで味付けするなど、食材として上手に活用するのがおすすめです。

 昆布は食べ合わせによって栄養効果をより引き出すことができますので、上手に食材を組み合わせてみましょう。

参考文献
出典1:厚生労働省|日本人の食事摂取基準(2020年版)|脂溶性ビタミン

出典2:厚生労働省|日本人の食事摂取基準(2020年版)|水溶性ビタミン

出典3:厚生労働省|日本人の食事摂取基準(2020年版)|ミネラル(多量ミネラル)

出典4:厚生労働省|令和元年 国民健康・栄養調査結果の概要

出典5:文部科学省|日本食品標準成分表2020年版(八訂)|刻み昆布

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