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良い?悪い?あずきの食べ合わせと嬉しい3つの栄養を徹底解説!

更新:


 あずきは日本人に大変馴染みのある食材であり、古くから食されてきました。あずきの主成分は糖質とタンパク質ですが、ほかにもビタミンB1カリウム鉄分、食物繊維などを豊富に含んでいます。あずきの食べ合わせについて、ぜひとも知っておきましょう。

薬剤師のイラスト <この記事の著者>
 メディカルアーカイブ所属
 薬剤師 松田俊浩※


目次


あずきはどんな食材?

小豆はどんな食材か

 あずきは和菓子を作る上で欠かすことのできない食材とも言えます。原産地は東アジアとされており、中国や日本など幅広い地域に自生していたと考えられています。縄文時代の遺跡からもあずきが見つかっており、いかに古くから食されてきたかがわかります。

 あずきは他の豆類とは食べ方が異なり、餡にして和菓子や中華菓子に使われます。代表的なものとして、饅頭やどら焼き、たい焼きなどが挙げられ、寒天を加えて羊羹にしたり、お餅を入れたおしるこなどもあります。

 また、あずきをそのまま食べるものとして赤飯があります。昔の赤飯と言えば赤米を使っていましたが、現在はもち米とあずきを一緒に炊いたものが主流となっています。

 日本におけるあずきの栽培は、生産量の約6割を北海道が占めています。あずきと一言で言っても、大納言や中納言、白小豆などの品種があり、それぞれに特徴があります。

あずきに含まれている栄養素

小豆に含まれている栄養素

■カリウムが非常に多く含まれている
 あずきの主成分は炭水化物とタンパク質ですが、ほかにもビタミンB1ビタミンB2カリウム鉄分、食物繊維などを豊富に含んでいます。なかでもカリウムが豊富に含まれており、乾燥したあずき100g中に1500mgも含まれています。

 カリウムには体内の余分なナトリウムを排泄し、血圧を下げる働きがあります。また体内の水分量を調節し、むくみの解消にも効果があります。

■豊富なビタミンB1で疲労回復
 あずきの外皮や豆の内部には苦味やえぐみ成分のサポニンが含まれています。サポニンにもカリウム同様利尿作用があり、カリウムとの相乗効果で老廃物を排泄し、腎機能を改善する働きがあります。

 また、サポニンにはコレステロールや中性脂肪を低下させ血液をサラサラにする効果があるので、糖尿病や高血圧など生活習慣病の予防に効果があります。

 豊富に含まれるビタミンB1は体内で糖質のエネルギー代謝に関わっているほか、疲労物質の乳酸を溜まりにくくする働きがあるので、疲労回復や夏バテに効果があります。

栄養解説
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あずき100gあたりの栄養価

小豆100gあたりの栄養価

 以下の表では、あずき(乾燥)100gあたりに含まれているエネルギー量や、主要なビタミン・ミネラルなどの含有量を示しています。単品からの栄養摂取に偏ることなく、さまざまな食材を上手に食べ合わせて、バランスよく栄養を摂取しましょう。

エネルギー 339kcal
炭水化物 58.7 g
食物繊維 17.8 g
脂肪 2.2 g
タンパク質 20.3 g
ビタミンB1 0.45 mg
ビタミンB2 0.16 mg
ビタミンB3 2.2 mg
ビタミンB5 1.00 mg
ビタミンB6 0.39 mg
葉酸 130 μg
ビタミンK 8 μg
カリウム 1500 mg
カルシウム 75 mg
マグネシウム 120 mg
リン 350 mg
鉄分 5.4 mg
亜鉛 2.3 mg
0.67 mg
出典:日本食品標準成分表2015年版(7訂)

栄養効果を高める食べ合わせのポイント

栄養効果を高める小豆の食べ合わせ

■カリウムの含有量が大豆に匹敵する
 あずきと言えば、大福やおはぎのあんこや羊羹など、和菓子の材料として日本人に愛されている食材の1つです。甘いあんこや羊羹を食べると、どうしても砂糖など糖分のことを考えがちですが、あずきは大豆などと同様に栄養価の高い食材です。

 あずきで特筆すべきはカリウムの多さです。乾燥したあずきには100gあたり1500mgものカリウムが含まれており、大豆の含有量に匹敵します。

 カリウムは体内の水分量を調節したり、余分なナトリウムを体外に排泄する働きがあると言われており、むくみの解消や、高血圧の予防効果が期待できます。

■アルギン酸を含む海藻がおすすめ
 このようなあずきと一緒に食べ合わせるとよい食材として、ヌルヌル成分のアルギン酸を含むワカメや昆布が挙げられます。

 アルギン酸は水溶性食物繊維の一種であり、ワカメや昆布を切った時に出てくるヌルヌルした成分に含まれています。このアルギン酸にはナトリウムを排泄する働きがあると言われており、カリウムを豊富に含むあずきと一緒に食べ合わせることで、高血圧の予防効果が期待できます。

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一緒に食べるとよい食材
期待できる効果

一緒に食べるとよい食材と効果

一緒に食べるとよい食材 期待できる効果
きゅうり
うり
レタス
ユリ根
利尿効果
むくみの解消
タコ
イカ
ワカメ
昆布
高血圧の予防
ネギ
タマネギ
ニラ
豚肉
疲労回復
アスパラガス
鶏卵
レバー
シジミ
肝機能の改善

食べ合わせと栄養のまとめ

小豆の食べ合わせと栄養

 あずきは餡子や羊羹の原料であり、和菓子には欠かせない食材であると言えます。甘いあんこのイメージが強いですが、あずきは他の豆類と同様に栄養価の高い食材です。

 あずきの主成分は炭水化物とタンパク質ですが、ビタミンやミネラル、食物繊維をバランスよく含んでおり、なかでもカリウムの含有量が非常に多く、大豆に匹敵するほどです。

 カリウムは体内の余分なナトリウムを排泄する働きがあり、アルギン酸を多く含む昆布やわかめと一緒に食べ合わせるのがおすすめです。

 アルギン酸は海藻に含まれているヌルヌル成分であり、水溶性食物繊維の一種です。このアルギン酸はカリウムと協力してナトリウムを排泄する働きがあると言われていますので、カリウムが豊富なあずきと一緒に昆布やわかめを食べ合わせることで、高血圧の予防効果が期待できます。

 あずきは食べ合わせによって栄養効果をより引き出すことができますので、上手に食材を組み合わせてみましょう。

参考文献
出典1:厚生労働省|日本人の食事摂取基準(2020年版)|脂溶性ビタミン

出典2:厚生労働省|日本人の食事摂取基準(2020年版)|水溶性ビタミン

出典3:厚生労働省|日本人の食事摂取基準(2020年版)|ミネラル(多量ミネラル)

出典4:厚生労働省|令和元年 国民健康・栄養調査結果の概要

出典5:文部科学省|日本食品標準成分表2020年版(八訂)|あずき/全粒/ゆで

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