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いんげん豆は日本で馴染みのある食材ですが、豆だけでなく、若いさやいんげんもよく食べられています。ビタミンB1、ビタミンB2や炭水化物、食物繊維が豊富に含まれており、種皮に含まれる食物繊維のセルロースは豆類のなかでもトップクラスです。いんげん豆の食べ合わせについて、ぜひとも知っておきましょう。
いんげん豆は日本でとても馴染みのある食材ですが、いんげん豆と一言で言っても、金時豆やうずら豆、虎豆などさまざまな品種があります。また、若いさやの状態で食べるさやいんげんもあります。
日本原産のようにも思われがちですが、古代から南北アメリカで栽培されていた主要な作物であり、コロンブスがヨーロッパに持ち込んで広まったと言われています。いんげん豆は高タンパクかつ低脂肪な食材であり、世界中で栽培されるに至りました。
日本には17世紀に伝わったとされており、煮豆や甘納豆に使われるほか、さやいんげんは煮物や炒め物の彩りに使われています。
■食物繊維が糖質の吸収を緩やかにする
いんげん豆にはビタミンB1、ビタミンB2や炭水化物、食物繊維が豊富に含まれています。種皮に含まれる食物繊維のセルロースは豆類のなかでもトップクラスで、糖質の吸収を緩やかにする効果があります。
そのため、いんげん豆は血糖値が急激に上がるのを抑え、糖尿病や肥満の予防に効果があります。また空腹感を抑えるので、ダイエットにも効果的です。
食物繊維は体内の有害物質を吸着して体外に排泄したり、コレステロールの吸収を妨げるほか、善玉菌の栄養分となって善玉菌を増やす働きがあるので、ガンや動脈硬化、便秘の予防に効果があります。
■ビタミンB群が疲労を回復する
ビタミンB1は糖質のエネルギー代謝に関わっており、不足すると乳酸がたまって疲れやすくなるほか、イライラしたり怒りっぽくなったりします。
ビタミンB2はタンパク質や脂質の代謝に関わっており、ビタミンB1との相乗効果で疲労回復や夏バテ予防に効果を発揮します。このほか、カリウム、カルシウム、鉄分などのミネラルも豊富に含まれています。
以下の表では、いんげん豆100gあたりに含まれているエネルギー量や、主要なビタミン・ミネラルなどの含有量を示しています。単品からの栄養摂取に偏ることなく、さまざまな食材を上手に食べ合わせて、バランスよく栄養を摂取しましょう。
エネルギー | 333kcal |
炭水化物 | 57.8 g |
食物繊維 | 19.3 g |
脂肪 | 2.2 g |
飽和脂肪酸 | 0.25 g |
一価不飽和 | 0.19 g |
多価不飽和 | 0.79 g |
タンパク質 | 19.9 g |
ビタミンB1 | 0.50 mg |
ビタミンB2 | 0.20 mg |
ビタミンB3 | 2.0 mg |
ビタミンB5 | 0.63 mg |
ビタミンB6 | 0.36 mg |
葉酸 | 85 μg |
ビタミンK | 8 μg |
カリウム | 1500 mg |
カルシウム | 130 mg |
マグネシウム | 150 mg |
リン | 400 mg |
鉄分 | 6.0 mg |
亜鉛 | 2.5 mg |
銅 | 0.75 mg |
一緒に食べるとよい食材 | 期待できる効果 |
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キャベツ 白菜 椎茸 昆布 |
ガンの予防 |
トマト タマネギ パセリ ワカメ |
高血圧、動脈硬化の予防 |
大根 かぶ やまいも |
胃腸を丈夫にする |
ごぼう 椎茸 アサリ 牛乳 |
糖尿病の予防と改善 |
出典1:厚生労働省|日本人の食事摂取基準(2020年版)|脂溶性ビタミン 出典2:厚生労働省|日本人の食事摂取基準(2020年版)|水溶性ビタミン 出典3:厚生労働省|日本人の食事摂取基準(2020年版)|ミネラル(多量ミネラル) 出典4:厚生労働省|令和元年 国民健康・栄養調査結果の概要 出典5:文部科学省|日本食品標準成分表2020年版(八訂)|いんげんまめ/全粒/ゆで |