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良い?悪い?牛乳の食べ合わせと嬉しい3つの栄養を徹底解説!

更新:


 牛乳の歴史は非常に古く、牛乳として飲まれるだけでなく、チーズやヨーグルトの原料としても重宝されてきました。牛乳は非常に栄養価が高い食材であり、ビタミンやミネラルが豊富であるほか、タンパク質の栄養価を表すアミノ酸スコアは満点の100となっています。牛乳の食べ合わせについて、ぜひとも知っておきましょう。

薬剤師のイラスト <この記事の著者>
 メディカルアーカイブ所属
 薬剤師 松田俊浩※


目次


牛乳はどんな食材?

 牛乳の歴史は非常に古く、紀元前から牛を家畜化して牛乳を利用していたとされています。牛乳はそのまま飲むのはもちろんのこと、チーズやバター、生クリーム、ヨーグルトなど、数多くの食材に加工されています。

 ただし、牛乳が飲用として流通するようになったのは低温殺菌法が開発された19世紀に入ってからであり、冷蔵などの保存技術の向上によって急速に普及するようになりました。

 牛乳と一言でいっても、牛乳内に含まれる脂肪分の量を一切調整しない無調整牛乳のほか、脂肪分の量を調整した調整牛乳、脂肪分が0.5%以上1.5%以下になるように脂肪分を減らした低脂肪牛乳などがあります。

 現在の日本では生乳を100%利用したものだけを「牛乳」と呼び、コーヒーなどを混ぜたものは乳飲料と呼ばれています。

牛乳に含まれている栄養素

牛乳のアミノ酸スコアは100
 牛乳にはタンパク質とカルシウムが豊富に含まれています。タンパク質の構成要素となるアミノ酸には人の身体では合成することのできない必須アミノ酸9種類をバランスよく含んでおり、タンパク質の栄養価を表すアミノ酸スコアは卵と同じく満点の100です。

 牛乳のタンパク質の8割がカゼインと呼ばれるタンパク質です。カゼインは体内で分解されてペプチドになり、カルシウムの吸収を助けたり、免疫機能を強化したりします。

 牛乳にはカルシウムが豊富に含まれているので、吸収効率が高まってより効果を発揮するのです。カルシウムは骨粗しょう症を予防したり、精神を安定に保つ働きがあります。

■ビタミンやミネラルも豊富
 牛乳は本来牛の赤ちゃんを育てるためのものですから、タンパク質だけでなく、成長に必要なビタミン、ミネラルが豊富に含まれています。

 皮膚や粘膜を健康に保つ動物性ビタミンAのレチノール、脂肪やタンパク質のエネルギー代謝を促進するビタミンB2カルシウムの吸収を助けるビタミンDなどが含まれています。

 このほか、胃粘膜を保護し炎症を抑える働きがあるので、胃潰瘍の予防にも効果があると言われています。

栄養解説
皮膚や粘膜の健康に欠かせない!〜ビタミンB2の働きと効果をポイント解説〜
ビタミンDの知られざる栄養効果〜骨や歯を丈夫にする働きを徹底解説〜
骨だけじゃない!カルシウムの働き〜効果効能と摂り方を詳しく解説〜



牛乳100gあたりの栄養価

 以下の表では、牛乳100gあたりに含まれているエネルギー量や、主要なビタミン・ミネラルなどの含有量を示しています。単品からの栄養摂取に偏ることなく、さまざまな食材を上手に食べ合わせて、バランスよく栄養を摂取しましょう。

エネルギー 67kcal
炭水化物 4.8 g
脂肪 3.8 g
飽和脂肪酸 2.33 g
一価不飽和 0.87 g
多価不飽和 0.12 g
タンパク質 3.3 g
ビタミンA相当量 38 μg
βカロテン 6 μg
ビタミンB1 0.04 mg
ビタミンB2 0.15 mg
ビタミンB3 0.1 mg
ビタミンB5 0.55 mg
ビタミンB6 0.03 mg
葉酸 5 μg
ビタミンB12 0.3 μg
ビタミンD 0.3 μg
ビタミンE 0.1 mg
ビタミンK 2 μg
ナトリウム 41 mg
カリウム 150 mg
カルシウム 110 mg
マグネシウム 10 mg
リン 93 mg
鉄分 0.02 mg
亜鉛 0.4 mg
0.01 mg
出典:日本食品標準成分表2015年版(7訂)

栄養効果を高める食べ合わせのポイント

■コップ1杯でカルシウム必要量の3分の1
 牛乳は栄養バランスに優れた食材の1つですが、特筆すべきはカルシウムの多さです。牛乳をコップ1杯飲むだけで、一日に必要なカルシウムの3分の1を満たすことができます。

 カルシウムは骨や歯をつくるのに欠かせないミネラルであり、体重の1.5〜2%を占めるほど、体内で一番多く存在しているミネラルです。カルシウムの99%は骨や歯に存在していますが、残りの1%は血液や神経に存在し、体の生理機能のバランス維持に役立っています。

■ビタミンDがカルシウムの吸収を助ける
 このカルシウムを豊富に含む牛乳と一緒に食べ合わせるとよい食材として、ビタミンDを豊富に含むサケやイワシ、シイタケやシメジが挙げられます。

 このビタミンDは野菜や果物にはほとんど含まれておらず、魚やキノコ類に多く含まれています。キノコにはエルゴステリンという形で存在しており、紫外線が当たることでビタミンDに変わります。

 ビタミンDカルシウムやリンの吸収を助ける働きがあるため、カルシウムと一緒に摂ることで、骨や歯への沈着を助け、骨や歯を丈夫に保つことができます。

 そのため、カルシウムを豊富に含む牛乳と、ビタミンDを豊富に含むサケやイワシ、キノコ類を食べ合わせることで、骨や歯を丈夫にし、骨粗しょう症の予防効果も期待できます。

関連食材
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【意外に知らない】しめじの栄養成分〜健康効果を詳しく解説〜



一緒に食べるとよい食材
期待できる効果



一緒に食べるとよい食材 期待できる効果
イワシ
サケ
大豆
小松菜
シイタケ
骨粗しょう症の予防
精神安定
カキ
牛肉
鶏卵
やまいも
虚弱体質改善
体力向上
バナナ
大豆
ショウガ
胃・十二指腸潰瘍の予防
ごま
マグロ
イワシ
大豆
脳の活性化
血行促進


参考文献
出典1:厚生労働省|日本人の食事摂取基準(2020年版)|脂溶性ビタミン

出典2:厚生労働省|日本人の食事摂取基準(2020年版)|水溶性ビタミン

出典3:厚生労働省|日本人の食事摂取基準(2020年版)|ミネラル(多量ミネラル)

出典4:厚生労働省|令和元年 国民健康・栄養調査結果の概要

出典5:文部科学省|日本食品標準成分表2020年版(八訂)|普通牛乳

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