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良い?悪い?卵の食べ合わせと嬉しい3つの栄養を徹底解説!

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 鶏卵はにわとりの卵であり、栄養価が高く、非常に優れた食材として世界中で古くから重宝されています。鶏卵にはタンパク質が豊富であり、その構成要素のアミノ酸に人が体内で合成することのできない必須アミノ酸9種類を全て含んでいます。鶏卵の食べ合わせについて、ぜひとも知っておきましょう。

薬剤師のイラスト <この記事の著者>
 メディカルアーカイブ所属
 薬剤師 松田俊浩※


目次


卵はどんな食材?

 鶏卵はにわとりの卵であり、栄養価が高く、非常に優れた食材として幅広い料理に使われています。一般的には生の状態を「卵」、調理した状態を「玉子」と表現します。

 卵を使った代表的な料理として、目玉焼き、卵焼き、オムレツ、スクランブルエッグなどがありますが、そのほかにも親子丼などの卵とじ、プリンやカステラの原料としても使われます。

 スーパーなどで売られている卵は、その重さによってSやM、L、LLなどの規格に分類されています。卵には白玉と茶色い赤玉の二種類があり、赤玉のほうが栄養価が高いと思われがちですが、白玉と赤玉に栄養価の違いはありません。

卵に含まれている栄養素

■鶏卵のアミノ酸スコアは100
 鶏卵にはタンパク質が豊富ですが、その構成要素のアミノ酸に人が体内で合成することのできない必須アミノ酸9種類を全て含んでいます。

 タンパク質の栄養価を表すアミノ酸スコアというものがありますが、鶏卵は満点の100なのです。ほかに100のものに牛肉、豚肉、牛乳などがあります。

 必須アミノ酸の中でも、特にメチオニンが豊富に含まれています。メチオニンには肝機能の向上し、肝臓に脂肪が溜まるのを防ぐ働きがあり、肝機能障害の予防に効果があります。また、冷え性や虚弱体質の改善、体力回復の効果も期待できます。

■レシチンが豊富に含まれている
 鶏卵にはビタミン、ミネラルも豊富に含まれています。体内で脂質やタンパク質のエネルギー代謝を促進するビタミンB2のほか、カルシウムカルシウムの吸収を促進し歯や骨を丈夫にするビタミンD、貧血を予防する鉄分も多く含まれていて、完全食品とも呼ばれています。

 卵黄にはレシチンが豊富に含まれています。レシチンは油を水に溶かす効果があるので、コレステロールを減らす働きがあります。また、血栓を溶かし脳梗塞や心筋梗塞を予防したり、神経物質の合成に関わりアルツハイマーやボケの予防にも効果があると言われています。

栄養解説
皮膚や粘膜の健康に欠かせない!〜ビタミンB2の働きと効果をポイント解説〜
ビタミンDの知られざる栄養効果〜骨や歯を丈夫にする働きを徹底解説〜
鉄分は摂りにくい!〜効果効能と吸収を助ける上手な摂り方を徹底解説〜



卵100gあたりの栄養価

 以下の表では、卵(鶏卵)100gあたりに含まれているエネルギー量や、主要なビタミン・ミネラルなどの含有量を示しています。単品からの栄養摂取に偏ることなく、さまざまな食材を上手に食べ合わせて、バランスよく栄養を摂取しましょう。

エネルギー 151 kcal
炭水化物 0.3 g
脂肪 10.3 g
タンパク質 12.3 g
ビタミンA相当量 150 μg
ビタミンB1 0.06 mg
ビタミンB2 0.43 mg
ビタミンB3 0.1 mg
ビタミンB5 1.45 mg
ビタミンB6 0.08 mg
葉酸 43 μg
ビタミンB12 0.9 μg
ビタミンD 1.8 μg
ビタミンE 1.0 mg
ビタミンK 13 μg
ナトリウム 140 mg
カリウム 130 mg
カルシウム 51 mg
マグネシウム 11 mg
リン 180 mg
鉄分 1.8 mg
亜鉛 1.3 mg
0.08 mg
出典:日本食品標準成分表2015年版(7訂)

栄養効果を高める食べ合わせのポイント

■鶏卵は栄養バランスが優れている
 鶏卵は栄養バランスが非常に優れており、完全食品とも呼ばれています。鶏卵のタンパク質には体内でつくることのできない必須アミノ酸がすべて含まれているほか、各種のビタミンやミネラルも豊富に含まれています。

 しかし、栄養バランスがよい鶏卵に足りていないのがビタミンCです。鶏卵と一緒にビタミンCを摂ることで、まんべんなく栄養素を摂ることができると言えます。

 そのため、鶏卵と一緒に食べ合わせるとよい食材として、ビタミンCを多く含むピーマンやブロッコリー、ジャガイモが挙げられます。

■ビタミンC+ビタミンB2で美肌効果
 ビタミンCは皮膚のハリを保つために欠かせないコラーゲンの合成に関与しているほか、シミの原因となるメラニン色素を抑えたり、抗酸化作用によって体内に有害な活性酸素を抑える働きがあると言われています。

 一方、鶏卵にはビタミンB2が豊富に含まれています。ビタミンB2はエネルギー代謝に関与しているほか、皮膚や粘膜を健康に保つ働きがあり、不足すると炎症が起こりやすくなります。

 そのため、タンパク質とビタミンB2が豊富な鶏卵と一緒にビタミンCが豊富な食材を食べ合わせることで、さらなる美肌効果が期待できます。

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じゃがいもの栄養成分と効能〜体に嬉しい効果と食べ合わせのコツ〜



一緒に食べるとよい食材
期待できる効果



一緒に食べるとよい食材 期待できる効果
シジミ
カキ
レバー
大豆
肝臓病の予防
イワシ
マグロ
ゴマ
クルミ
脳の活性化、
コレステロール低下
ジャガイモ
ピーマン
ブロッコリー
美肌効果
うなぎ
豚肉
牛肉
カツオ
体力増強、
スタミナアップ


参考文献
出典1:厚生労働省|日本人の食事摂取基準(2020年版)|脂溶性ビタミン

出典2:厚生労働省|日本人の食事摂取基準(2020年版)|水溶性ビタミン

出典3:厚生労働省|日本人の食事摂取基準(2020年版)|ミネラル(多量ミネラル)

出典4:厚生労働省|令和元年 国民健康・栄養調査結果の概要

出典5:文部科学省|日本食品標準成分表2020年版(八訂)|鶏卵/全卵/生

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