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良い?悪い?イワシの食べ合わせと嬉しい3つの栄養を徹底解説!

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 イワシは良質な脂質に富んでおり、DHA(ドコサヘキサエン酸)やEPA(エイコサペンタエン酸)、オレイン酸やパルミチン酸などの不飽和脂肪酸を豊富に含んでいます。なかでもイワシはEPAの含有量が魚介類の中でもトップクラスです。イワシの食べ合わせについて、ぜひとも知っておきましょう。

薬剤師のイラスト <この記事の著者>
 メディカルアーカイブ所属
 薬剤師 松田俊浩※


目次


イワシはどんな食材?

鰯はどんな食材か

 イワシは群れで泳ぐ回遊魚であり、水族館の大水槽などで群れで泳ぐ姿を見ることができます。日本のイワシはカタクチイワシとウルメイワシ、マイワシが有名で、大衆魚として流通しています。

 イワシは背中が青く、腹が白いため、青背魚または青魚と呼ばれています。体長は10〜30cmほどで、赤身の魚です。

 イワシは刺身や寿司のほか、フライや天ぷら、煮付けなどに調理され、稚魚や幼魚はシラスとして食べられます。イワシは水揚げ後にいたみやすいため、海外ではアンチョビと呼ばれる缶詰に加工されます。

イワシに含まれている栄養素

鰯に含まれている栄養素

■DHAとEPAが豊富
 イワシは良質な脂質に富んでおり、DHA(ドコサヘキサエン酸)やEPA(エイコサペンタエン酸)、オレイン酸やパルミチン酸などの不飽和脂肪酸を豊富に含んでいます。

 DHAは脳の神経細胞に含まれている物質で、脳機能や神経組織の情報伝達を活性化する働きがあります。「頭がよくなる」として一時期話題になったのはこのためです。このほか、体質を改善してアトピー性皮膚炎にも効果があるとされています。

 EPAは血栓を溶かし血管を拡張する働きがあるため、脳梗塞や心筋梗塞などの血栓症の予防と改善に効果があると言われています。イワシはEPAの含有量が魚介類の中でもトップクラスです。

■カルシウムとビタミンDが骨を丈夫にする
 イワシには歯や骨を形成するカルシウムが非常に多く含まれているほか、カルシウムの吸収を助けるビタミンDも多く含んでいます。

 ビタミンDは野菜や果物にはほぼ含まれておらず、魚に多く含まれているビタミンであり、カルシウムと一緒に摂取することで吸収を助け、歯や骨を丈夫にし、骨粗しょう症の予防効果が期待できます。

 このほか、カリウム鉄分亜鉛などの各種ミネラルも多く含まれています。

栄養解説
ビタミンDの知られざる栄養効果〜骨や歯を丈夫にする働きを徹底解説〜
血圧や水分の調節に欠かせない!〜カリウムの働きと効果をポイント解説〜
骨だけじゃない!カルシウムの働き〜効果効能と摂り方を詳しく解説〜



イワシ100gあたりの栄養価

鰯100gあたりの栄養価

 以下の表では、イワシ100gあたりに含まれているエネルギー量や、主要なビタミン・ミネラルなどの含有量を示しています。単品からの栄養摂取に偏ることなく、さまざまな食材を上手に食べ合わせて、バランスよく栄養を摂取しましょう。

エネルギー 208kcal
脂肪 11.45 g
飽和脂肪酸 1.528 g
一価不飽和脂肪酸 3.869 g
多価不飽和脂肪酸 5.148 g
タンパク質 24.62 g
ビタミンB1 0.08 mg
ビタミンB2 0.227 mg
ビタミンB3 5.245 mg
ビタミンB6 0.167 mg
ビタミンB12 8.94 μg
ビタミンD 193 IU
ビタミンE 2.04 mg
ビタミンK 2.6 μg
ナトリウム 307 mg
カリウム 397 mg
カルシウム 382 mg
マグネシウム 39 mg
リン 490 mg
鉄分 2.92 mg
亜鉛 1.31 mg
0.186 mg
出典:USDA食品成分データベース

栄養効果を高める食べ合わせのポイント

栄養効果を高める鰯の食べ合わせ

■ビタミンB群とミネラルが豊富
 イワシは不飽和脂肪酸のDHAやEPA、オレイン酸を豊富に含んでいます。不飽和脂肪酸にはコレステロールのバランスを整える働きがあり、善玉コレステロールを減らさず、悪玉コレステロールを減らす働きがあると言われています。

 また、イワシにはビタミンB群がバランスよく含まれているほか、カリウムカルシウムマグネシウムなどのミネラルも豊富に含まれています。このイワシと食べ合わせがよい食材として、トマトがおすすめです。

■トマトがイワシの栄養バランスを補う
 トマトには強い抗酸化作用のあるリコピンのほか、βカロテンビタミンCカリウムが豊富に含まれており、イワシと一緒に食べることでビタミンやミネラルのバランスが非常によくなります。

 また、イワシの不飽和脂肪酸によって中性脂肪や悪玉コレステロールを下げるだけでなく、リコピンやβカロテンビタミンCの強い抗酸化作用によって活性酸素の働きを抑え、動脈硬化や心筋梗塞などの予防効果が期待できます。

 カリウムは体内の水分量を調節したり、余分なナトリウムの排泄を促進する働きが知られており、イワシとトマトに豊富に含まれているカリウムによって、むくみの解消や、高血圧の予防効果が期待できます。

関連食材
トマト


一緒に食べるとよい食材
期待できる効果

一緒に食べるとよい食材と効果

一緒に食べるとよい食材 期待できる効果
トマト
ネギ
オリーブオイル
コレステロール低下
動脈硬化予防
大豆
ゴマ
牛乳
脳の活性化、
集中力アップ
かぼちゃ
さつまいも
アーモンド
老化防止、
スタミナアップ
ニンジン
椎茸
きくらげ
ガン予防、
血行促進


参考文献
出典1:厚生労働省|日本人の食事摂取基準(2020年版)|脂溶性ビタミン

出典2:厚生労働省|日本人の食事摂取基準(2020年版)|水溶性ビタミン

出典3:厚生労働省|日本人の食事摂取基準(2020年版)|ミネラル(多量ミネラル)

出典4:厚生労働省|令和元年 国民健康・栄養調査結果の概要

出典5:文部科学省|日本食品標準成分表2020年版(八訂)|まいわし/生

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